『陽気なギャングが地球を回す』伊坂 幸太郎
動線に接した角地という一等地の書架はジュンク堂本店にもいくつかあるが、伊坂幸太郎の作品もけっこう長く並べられている。
その中でも一番派手な表紙だったが一番退屈だった。昼飯の後の休憩時間に氏の登場人物に触れるなら『死神の精度』はもったいないがこれなら軽くてちょうどいい。
「ふん」と鼻を鳴らし、かまわずに続けた。「強いだとか、弱いだとかは、何によって決まるんだ?草原での噛みつきあい、空中戦、それとも学歴、遺伝子の配列か?弱肉強食とほざいているおまえの友達は自分より強い奴に殺されることを良しとしているのか?身体の頑丈さや足の丈夫さで決まるって言うんだったら、慎一、おまえは今から四輪駆動の車に乗って、そいつらをはねてくればいい。『パジェロに潰される弱い奴らは死ぬのが当然だ』と教えてやれ」
「滅茶苦茶だなあ」久遠が呆れる。


