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『ハッカーと画家』ポール・グレアム

「ハッカー」といえば一昔前まではコンピューターに侵入して犯罪する人という意味だった。頭が良く、人を出し抜くのが好きでいわゆる大人の世界のことには無邪気であろうとするくせに、(アメリカの)現代における大富豪といえばハッカーだという-そんなハッカーとは、いったいどういう人種なのかというのを、ハッカー自身が書いたのがこの本だ。オンラインショッピングサイトといえば今では当たり前だが、最初に作った著者のベンチャーがヤフーから巨額の買収金をせしめたという。それはITベンチャーのビジネスモデルにもなった。

グーグルで働いてるけど何か質問ある?で薦められていたので読んでみたのだが、各章の多くはオンラインのポール・グレアムのエッセイと和訳一覧で読むこともできてしまう。訳者のShiroさんの翻訳もステキだ。Amazonでも1位にランクしたようだ。ポール・グレアム氏の動画はNHKのサイトNHKスペシャル デジタルネイティブで伺うことができる。

僕はこれを呼んで脳に電気が点きまくりで、書きたくなることも山ほどあるんだけど、それらは、今の自分に照らし合わせてみればほとんどグチみたいなネットのゴミになってしまうので控えよう。一箇所引用するのは、えここ?と思われるかもしれないけど、p34のこの一説だ。少年時代の自分に会って何を一番伝えたくなったかといえばこれだったから。

私は子供のころ、いつも、人の身になってものを考えなさいと教えられた。実際にはそう言われるときはいつでも、自分のしたいことじゃなくて他人の望むことをしなさい、という意味だった。だから共感なんてつまらないものだと思って私はそれを磨こうとはしなかった。
 だが、なんてこった。私は間違っていたんだ。他人の身になってものを見るというのは、本当は成功の秘密だったんだ。それは自己犠牲を意味するとは限らない。他の人のものの見方を理解したからって、その人の利益のために行動しなくちゃならないとは限らないんだ。

共感能力は、おそらく良いハッカーと偉大なハッカーの、たったひとつの最も重要な違いだろう。



photo
ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち
Paul Graham
オーム社 2005-01
おすすめ平均 star
starハッカーの恍惚に溢れるエッセイ集
star案外、歴史的書物かもしれない

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笹部 政宏
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