スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



『超人類へ!』@彩湖





荒川沿いの彩湖の水際、いつのまにかこんなテラスができていた。高さが水面とほぼ同じでおしゃれだ。ただ、水道水用の池なのだが、水はきたなくて藻が生い茂っている。
写真の奥ではカモの数十羽がずらりと並んで日向ぼっこしていて、通りかかった僕を警戒し始めた。鳥の目は横向きについているので、よく見ようとすると当然横向きの顔。シフトチェンジしてペダルを重く、歩く速度よりも遅くして、無駄な動きを封じて殺気を消して横切る。1羽、5羽、10羽、警戒の鳴き声もない。リアハブフリーのちりちり音もなく、変態ゴム博士のラバーサスと高圧タイヤはタイルの上でも音を出さない。小さいタイヤのスポークのチカチカ反射も少ない。20羽、30羽。成功だ。モールトンのローインパクトの勝利!と思うと左側の土手で休んでいるローディがこっちをじろじろ見ていた。モールトン忍術は人間には通じない。

次は1羽のサギだ。10mくらいの距離にまで近づくと飛び上がってしまった。と思うとさらに10m先で戻ってきて止まる。悪いがこっちの進行方向も同じだ。殺気を消して進む。これが3回繰り返された。4回目、とうとうサギはイライラしたのか、グァグァわめきながら湖の方向に飛んで行った。こっちは追いかけ回したわけじゃないのに、知るかぼけ。



昔、ボルヘスという人がこんなことを考えた。もしアルファベット文字の全ての組み合わせを本にしていけば、人間の知性は過去と未来永劫全てにわたって、その図書館に収蔵されていることになる。誰がどんな本をこれから書こうとしたって、すでにその図書館には存在してしまっている。
Googleがやろうとしていることもこれと似ている。検索技術はナビゲーションのテクニックだから、収蔵さえしてしまえばどうとでもなるので、方法論は一貫している。インターネット上の全ての情報を集めろ、世界中の道路を360度のカメラで撮影して回れ、とにかく何でもわしづかみにして飲み込んでいけ。

前回読んだ『深海のYrr』に登場するゼラチン状の単細胞生物Yrrは、遺伝子を記憶に用い、細胞分裂によって種を維持しているため、太古の昔から記憶が途切れないという設定になっている。一方で人間は、死ねばそこで途切れる。人類はアインシュタインの脳そのものを継承することができない。大切な人が死ねば泣くよりほかないが、Yrrの場合は、永遠なる一つの母が存在して一つ一つの細胞には自己という概念もないのだ。そんなYrrと違って人間は、知性の伝達には個体という殻がどうしようもない断絶のもとになっているのである。

それを乗り越えようとする人間の願望は抑えることができない、というのがこの本。
少なくとも体を使って表現されているもの、音声、手や指の動きを行っているときの脳の動きをセンサーが読み取り、実際に指を動かしたりせずにその通りに機械を操作するのは現実になっている。シマノの新しい電動式STIレバーのブレーキ操作やシフトチェンジは「そう思う」だけで操作できるようになる。
ヨダレが口元を垂れればすぐタオルで拭いてもらえるのを当たり前だと思っている赤ちゃんのように、
人間が両足で地面を走るのに何の操作もせず、「思ったとおり、思うだけで」できるように、鳥が空を舞うのと同じようにして自転車で走れるのである。何てことだ!

さらに、機械の操作にとどまらず、もう少し高次な脳の働きだって可能である。トンデモナイ幸福感や性的興奮を電気信号を送って得られることも実験で確認されたとある。

話はここからだ。ナノワイヤーだかで接続されたそのインターフェースのもう一方を機械やコンピュータではなく人間に接続してしまうのである。恋人の感情を直に感じられてしまったら、いったいどんなセックスになってしまうのだろう。あるいはロボットアームがものすごいスピードでCPUの配線を組み上げていくように、学校の授業は変わってしまうかもしれない。
もちろん、それらのデータの挿入が意図したものでなければ、「なんだこれ」と前頭連合野で自覚して、接続を切ることはできるだろう。

しかし、これらの技術を使って人間がやろうと願うのは、個体の殻をつき破ることなのだ。
ボルヘスの大図書館であり、
Googleの理念であり、
知性のパンゲア大陸であり、
ユダヤ人のワンワールド思想のようなものなのである。

人間は、そんなYrrみたいになってしまうのかもしれないのである。

僕は、自転車を鳥の翼のようにしてくれるコンポをシマノが開発してくれればそれでいいけど。
スポンサーサイト



comment

Secret

while(aho.atEndofStream)

笹部 政宏
笹部 政宏
mail




フリーソフツ
Category
はてブ
Monthly Archive
New Entry
New Comment
New Trackback
RSS
Copyright © Kittens flewby me All Rights Reserved.

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。