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『That’s Moulton』


機械の性能の観点からいえば、タイヤが小さいというのはデメリットばかりである。これを読んでもその気持ちは変わらない。ただ、モールトン博士の設計基準は四十数年間ずーっと一貫している。すごいことだ。


*小径の高圧タイヤ
*前後サスペンション
*男女兼用オープンフレーム
*フレーム分割機能のオプション設定
*前後とも車輪の上に荷物を置ける

さらに、「あらゆる条件下での使用に優れる」ものとして、トラックレースを制覇したり、最高速度記録を樹立したり、大陸縦断走行を達成したりした。それでも結果としては、小径自転車はあらゆる場面でマイナーな存在のままである。だから、数々のモールトン礼賛も私の頭の中では「…だけど」がついてしまう。

ある程度の速度で走ってダイレクトで楽しい操舵感を得られるセッティングにするなら、低速でのハンドルはふらふらと不安定にならざるを得ない。それに道路の段差や溝を乗り越えるときはハンドルをとられないように倍くらい気を使う。ロードバイクと同じスピードで走るなら、車輪がより多く回転しているぶん、車軸ハブの抵抗を受け、回転の遠心力が小さくて回転モーメントが低く、慣性での回転を維持できないから、それらのぶんを足で漕がなくてはならない。同じ力なら巡航速度はおおよそ5km/hほど下がるらしい。

雑誌記事にするなら十年分くらいのボリュームがあるんじゃないかといわれる『ロードバイクの科学』を読んでも、自転車に性能を求めるなら小径車はあり得ないというほど小径車には触れられていない。

もちろん現在の博士も、「あらゆる条件下で優れる」とは一言もいっていない。しかし、こうした理念の自転車のルネサンスがとくに日本にみられるという。たしかに、他にないメリットがなければこんなには受け入れられるはずがない。ベラボーに高い価格とブランドだけなら、ブリヂストンも共同開発なんて手は出さなかっただろう。それは実際に乗ってみなければわからないし、何になるかはその人それぞれだ。

たとえば道で犬とすれ違うとき、大型犬と小型犬では無意識にしても気の使い方が違う。
車でも大型車と軽自動車とでは違う。自転車についても同じことがいえる。タイヤの小さい自転車はローインパクトだ。すれ違う相手がおばあさんや子供だったりならなおさら、自分が与えるインパクトが小さければ気持ちも軽い。
かと思えば、40km/h以上出して走ってもウソのように安定してちっとも怖くない。
むしろもっと踏めといわれているような気までするのは、大きいタイヤでもママチャリやMTBでは絶対なかった。自転車で100km走るなんてのもあり得ないと思っていた。でも買ってすぐの休日に1日で走ってしまった。そしてフラフラになった帰りに池袋のJ'sでパーツを買い、繁華街の人混みの中をぬってゆっくり走ってもこの自転車は回りにローインパクトだった。

博士のいうルネサンスが何かは明言されないし、それは乗り人それぞれが受け取るものなのだろうが、私にとってそれは、「所有する喜びがあり、長距離でも短距離でもどんな乗り方でも楽しいもの」という博士の言葉どおりのものだった。ああ、結局自分も礼賛者の一人になってしまった。
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笹部 政宏
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